アレルギー性鼻炎
植物の花粉、ホコリ・ダニなどのハウスダスト、黄砂に含まれる化学物質などが鼻の粘膜に入ることでアレルギー反応が起こり、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった鼻炎の症状が続きます。スギ花粉などが原因となって特定の時期のみ発症する季節性と、ハウスダストなどが原因で1年を通して症状が出る通年性があります。診療の際は、アレルギー反応を引き起こす物質を検査で特定し、点鼻薬や内服薬、レーザーのほか、原因物質によっては舌下免疫療法などの治療を行います。
花粉症
アレルギー性鼻炎の中でも、植物の花粉によって発症するのが花粉症です。春はスギやヒノキ、春から夏はイネ科植物、秋はブタクサ、ヨモギなど、原因となる植物には季節ごとにさまざまな種類があります。花粉の飛散時季のみ発症することから、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれます。くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの鼻の症状が現れ、花粉が目に入るとかゆみ、喉や気管支に入ると咳などの症状を引き起こします。
副鼻腔炎（急性・慢性）
頬や頭部にある副鼻腔と呼ばれる空洞に炎症が起こる病気です。鼻風邪の悪化により起こる急性副鼻腔炎と、蓄膿症(ちくのう症)とも呼ばれ、副鼻腔に膿が溜まる慢性副鼻腔炎があります。鼻づまりや黄色い膿性の鼻水、鼻の中の嫌なにおい、頭や頬、目のまわりの痛みなど、さまざまな症状が現れます。
嗅覚障害
においの伝達経路に不具合が生じることで、においがしない、においを感じにくいなど、嗅覚機能の低下が現れます。中には、本来とは違うにおいに感じる、嗅覚が過敏になって少しのにおいを強い悪臭に感じるといった症状も見られます。不具合を引き起こす原因はさまざまです。
慢性鼻炎
鼻の粘膜の炎症が長期間、持続している状態です。加齢や妊娠、薬剤、血管運動性(寒暖差アレルギー)など、原因はさまざまで、アレルギー性鼻炎もこの慢性鼻炎に含まれます。アレルギー性鼻炎の場合は、検査により原因物質を特定できますが、そのほかは症状を抑えるのが難しいケースも少なくありません。治療には内服薬や点鼻薬を用います。
後鼻漏
鼻水が喉のほうに流れてきたり、鼻と喉の境に鼻水や痰が付着したりする症状です。アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎、風邪などによって引き起こされます。副鼻腔から喉のほうに流れる分泌液は、通常は気づかないうちに飲み込まれます。しかし、分泌液の増加や粘度の変化があると、流れていることがわかり、不快感をおぼえます。